【野球】センバツ 練習中の事故で内臓損傷の大けが→復活の夢舞台 学法石川・飯島「夏は自分がチームを甲子園に連れてくる」

 9回、学法石川の代打・飯島は二邪飛に倒れる(撮影・佐々木彰尚)
 キャッチボールをする学法石川・飯島(撮影・佐々木彰尚)
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 「選抜高校野球・1回戦、高崎健康福祉大高崎4-0学法石川」(19日、甲子園球場)

 大けがを乗り越え、夢舞台へとやってきた。4点を追う九回無死一、二塁の好機で、学法石川の背番号20を背負う飯島優音(まさと)捕手(3年)が代打で登場。二邪飛に倒れたが、心の中には野球ができる喜びがあふれていた。

 「ずっと目指していた場所で、ケガをしていた時もずっと甲子園のことを思っていた。打席にも立てたので、やっぱり楽しかったです」

 約半年前はベッドの上だった。昨年9月の秋季県大会直前、一塁守備の練習でマウンド付近のフライを捕球しようとした際、三塁手と衝突。その場で立ち上がれなくなった。肝臓と腎臓が内出血する重傷で、2週間の入院。「寝返りも痛くて、普通に寝ているだけでもツラかった」。最初の1週間は起き上がることもできなかった。

 正捕手候補とされていたが、「3カ月、野球は全くできませんでした」。グラウンドを離れることを余儀なくされ、悔しさが募った。それでも、歩くことから始めて地道に取り組んだリハビリの成果もあり、甲子園のベンチ入りをつかんだ。今月の練習試合で実戦復帰した際、わき上がった思いがある。

 「ずっと野球がやりたいなと思っていました。やっぱり楽しいなと。チームのみんなとやると、もっと楽しい」

 大会前は「チームに迷惑をかけたので、みんなに恩返ししたい。自分の結果じゃなくて、チームが絶対勝つために、どんな行動、プレーができるか考えて。笑顔で全力でやっていきたい」と意気込んでいた飯島。甲子園では控え捕手として、救援投手の投球練習を受けた。「健大高崎さんはバッティングが良いので、『しっかりコースに』と声をかけました。投手が強い気持ちでマウンドに上がれるように、自分が良いキャッチングなり声かけなりができたらと思っていた」。ただ、チームの勝利にはつながらず、「まだ声が足りなかった」と反省。雪辱を誓った。

 「夏にもう一回、絶対に戻ってきてやろうと思いました。センバツはみんなに連れてきてもらった側なので。夏は自分がチームを引っ張って連れてくる存在になれるように」。仲間とともに野球ができる幸せ。もっともっと、強くなる。(デイリースポーツ・間宮 涼)

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