【ゴルフ】人気の女子ツアー 罰金制導入は“職場確保”につながるのか スロープレー撲滅の先にある大きな課題

 日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)が、国内ツアー開幕戦のダイキン・オーキッド・レディース初日の2月29日に、今季からスロープレーを厳罰化すると発表した。男子に比べて出場人数の少ない女子ツアー。プレーヤーズ委員会からの要望もあり、トーナメント出場人数の増加を目指して、新たに罰金制度を導入した。盛況の女子ツアーが、さらに改善を求めて取り組む課題とは-。

 罰金制導入が女子ツアーの環境改善につながるか、要注目だ。今季からシーズンを通して個人イエローカードが累積され、通算2度目の違反で10万円、3度目は20万円、4回目以降は違反の都度50万円の罰金を科される。JLPGAは詳細な数字こそ出さなかったが、昨季は1シーズンで5回以上のイエローカードを科された選手もいたという。

 プレーファスト促進の目的は、トーナメント出場人数の増加。全体の進行が早まり、アウト・インでそれぞれ1組、出場を増やすことができれば、通常3サムのツアーでは単純計算で6人の“職場確保”につながる。

 会見でJLPGAの小田美岐副会長は「(出場優先権の)下の方の選手は、もっと出たいという思いがすごく強い。120人以上が4日間大会で出るためには、今のペースでは日没にかかってしまう」と、協会が感じる危機感を代弁した。

 実際に昨年の国内ツアーでは、男子と比べると女子の出場人数は少ない。主に優勝者の出場に限定される最終戦を除けば、1試合あたりの平均出場人数が男子は約126・8人、女子は110・6人だった。コース難易度や当地の日没時間などの影響もあって一概には言えないが、この数字が女子ツアーの大きな課題を示しているといえる。

 新制度の導入は、選手たちから構成されるプレーヤーズ委員長から要望された。従来のツアー規定でも5回以上の累積違反はJLPGAが定める講習を受けなければいけなかったが、6度目以降は何度違反しても罰則が重くなるわけではなかった。昨季委員長だった木村彩子は「何枚でも一緒だろう、という感じになったら嫌ですよね」と話していた。年に5回ほど開かれる委員会で、既に罰金制を取り入れている米女子ツアーや欧州女子ツアーを引き合いに議論を進めた。

 開幕戦の最終日最終組のホールアウト時間は、予定よりも15分ほど早かった。出場人数が増えれば、ファンもより多くの選手を見ることができ、メリットは大きい。新制度が選手たちの間に浸透しているかは不明だが、シーズンを通してきびきびとプレーファストを心がける選手のマナー向上を期待したい。(デイリースポーツ・ゴルフ担当・中谷大志)

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