【野球】大谷in韓国 メジャー取材で感じた日本との大きな違いとは 開幕シリーズで日米の野球知る現役コーチらに聞いた

 20日から韓国で行われ、大きな盛り上がりを見せたメジャー開幕シリーズ。日本でも注目された2試合で目にしたのは、日本とは大きく異なる試合前の練習スタイル。現役のコーチ、日米の野球を知るOBに話を聞いた。

 メジャーの試合前練習はアップを終えると、内野手はそれぞれのポジションに就き、日本で言う特守のようなノックが始まる。パドレスの場合はノッカーが4人。さらに通常のノックに加え、トスした球をコーチが打ち、実際の打球を再現するような練習も行う。

 それが終わると打撃練習が始まる。これがとてもシンプル。日本では通常2カ所の打撃ケージはホームチームでも1カ所のみ。日本のように後ろでティー打撃をする選手はおらず、走塁練習も行わない。試合前のシートノックもない。

 ドジャースの三塁コーチで、昨年のWBCアメリカ代表のコーチも務めたディノ・エベル氏が、メジャー式の練習法について教えてくれた。「守備練習では基礎をやる。打撃は(ベンチ)裏にマシンもあり、準備してからグラウンドに出る」と語った。

 走塁練習やシートノックについては「スプリングキャンプでやっている」とシーズン中はあえて行わない。メジャーは長距離移動を含めた時間管理と、球場に大きな施設を備えているのも特徴の一つ。日本のように時間、グラウンドを目いっぱい使うことはあまりしない。

 さらに日本との違いで面白い点がある。打撃投手という仕事がないため、コーチが打撃投手を務めている。練習後の片付けも手伝うなど大忙しのエベル氏だが、30年近いコーチ人生で「アイシングをしたことはないよ」と笑顔で語った。

 アメリカと日本の両方を知る男も当時の衝撃を振り返った。メジャー通算282発を誇り、20年から2シーズンにわたってオリックスでプレーしたアダム・ジョーンズ氏だ。「(日本の練習は)一番驚いた。グローバルなスタイルに目を奪われた」と日本式の練習は真新しいものだった。

 それでも「野球はアメリカだけでない」とすぐに受け入れたという。「大谷もやってきたんだ」とトッププレーヤーも引き合いに出しながら、日本野球に対してのリスペクトを明かしてくれた。

 初のメジャー取材で感じた日本との大きな違い。世界ではそれぞれの野球文化があり、これからも進化を遂げ続けていくことに注目していきたい。(デイリースポーツ・滋野航太)

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