【野球】巨人・オドーアの電撃退団で浮かび上がる外国人選手の取説 もはやアンタッチャブルの存在にしてはいけない

 巨人のルーグネッド・オドーア(30)の電撃退団で浮かび上がる外国人選手の取り扱い。もはやアンタッチャブルの存在ではない。

 開幕を目前に控えてオドーアが退団した。MLBでの178本塁打実績を期待され入団したが、日本の野球にはなじめずオープン戦12試合で打率・176、0本塁打、0打点。2軍降格を通告されたもののこれを固辞し、米国帰国を希望する本人の意向を最終的に巨人サイドが受け入れる形となった。

 過去、MLBでの実績面だけを考慮し、ウワサされた素行面に目をつぶってトラブルに発展した例もあった。1960年代にヤンキースで活躍し、1973年にヤクルトに入団した故ジョー・ペピトーンがそうだろう。デビュー戦では4番を打ったがその後は無断欠場や仮病、途中帰国などのトラブルのオンパレード。球団は対応に苦慮していた途中解除できないという条件付きの2年契約を結んでいたために残留させ、2年目を迎えた。ところがオープン戦に入っても来日せず、そのまま開幕前に任意引退。それでも年俸をそっくり手にしている。

 また、日本時代のプレーを目の当たりしたが、ダイエー(現ソフトバンク)のケビン・ミッチェル(62)や阪神のとマイク・グリーンウェル(60)の存在も話題だった。ジャイアンツ時代の1989年、メジャーでMVPを獲得したというミッチェルは、MLB通算220本塁打を引っさげて1995年にダイエーに入団。開幕戦では満塁本塁打を放つ衝撃的なデビューを果たしたが4月下旬には“病気”を理由に途中帰国した。再来日こそしたが8月に入り2度目の無断帰国をし、球団から即刻解雇されている。

 1997年、レッドソックスの生え抜きスター選手として阪神に入団したグリーンウェルは、当時の球団史上最高額となる推定年俸3億円超という破格の条件だったが、春季キャンプの時点で一時帰国。開幕後の4月下旬にはチームに合流したが5月11日の巨人戦で足に自打球を受け、右足の甲を骨折。骨折は野球をやめた方がいいという「神のお告げ」だったと言い出して、5月16日には帰国している

 また、2016年に楽天に加入したジョニー・ゴームズ(43)もメジャー通算162本塁打の触れ込みだったが、わずか18試合の出場で打率・169、1本塁打と散々な結果で同年5月6日のい球団が退団を発表している。

 球団は新外国人を戦力と思って獲得している。実際に彼らの出来不出来がペナント・レースの行方を左右することもある。そんな選手が途中でいなくなるのは、チームにとってこれ以上にない誤算だ。場合によっては慌てて緊急補強に踏み切らなくてはいけなくもなる。そのため、球団によっては前年までNPBで実績を残した“中古”の外国人選手に手を出すか、若い外国籍の選手と育成契約を結び、NPB仕様に仕上げようとする。

 実績ある選手ほど問題児が多いとまではいわない。だが、MLBの実績ですべてに目をつぶる必要はない。今回の巨人の決断は、けっして間違っていない。もはや新外国人選手は、別格の存在ではない。(デイリースポーツ・今野良彦)

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