【野球】ザキゲラ?ゲラザキ?阪神、W守護神で岡田監督の妙がより発揮 打順、代打の状況で順番決める

 首位を走る阪神の原動力になっているのが、岩崎優投手(32)、ハビー・ゲラ投手(28)によるダブルストッパーだ。開幕から打線がなかなか波に乗りきれなかった中、フル回転。左右のW守護神の存在は岡田采配の幅を広げ、連覇を狙うチームの強みとなっている。

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 今日はゲラザキかザキゲラか-。今季ここまで2人のそろい踏みは13試合あり、9勝4分けと負け知らずだ。岩崎は13試合で6ホールド、4セーブをマーク。ゲラはリーグトップの15試合に登板し、8ホールド、5セーブの成績を残している。

 数字を見れば難なくダブルストッパーに順応しているように見えるが、実際はどうなのか。岩崎に聞けば「八回と九回だからそんなに変わらないですよ。肩を作るのも一回ですからね」とケロリと言う。ゲラも「自分は八回でも九回でも言われたところで投げるだけだよ」と繰り返し、「このチームの強みなんだ」と誇らしげに続けた。

 岡田監督は3月中旬から「(抑えは)どっちかや、あの2人。別にこだわってない。シーズンに入っても右左の関係でもええわけやから」と話し、相手の打順の流れ、打者の左右によって、投入の順番を決めたことを示唆していた。28日・ヤクルト戦では、右のサンタナ、山田と続く八回をゲラに任せ、九回は岩崎に託した。左腕は1死から代打・塩見に安打を許したものの、左の西川、丸山和を三振に仕留め、試合を締めくくっている。

 「ヤクルトの代打陣の隔たりが大きすぎるやんか。左の代打しかこないというかな。そらゲラ、先に行くわ。結局、左の代打なしでいけたやろ。その辺(2人は)流動的になるよ。チームによって右左の関係とか、代打陣の関係もあるからな」

 試合後、岡田監督は会心の笑みだ。ベンチには青木、川端ら左の実力者が控えていた。岡田監督は相手のメンバーを全て頭に入れ、常に勝負を先読みする。W守護神の存在が岡田采配の幅を広げているのは間違いない。打者の左右に加えて岩崎は「監督の勘もあるんじゃないかな」。左腕が想像するように、経験に裏付けされた指揮官の勝負勘も判断材料になっているのなら、ますます攻略は難しくなるはずだ。

 現状、ホールド、セーブの数は分け合う形になっているが、昨季セーブ王はどこ吹く風だ。タイトルのこだわりも「意識はありませんよ。結局タイトルは1人しか取れないのでね」と笑った。狙うのはチーム全員でつかみ取る連覇だけ。岩崎の言葉に虎の強みが凝縮されているように感じた。(デイリースポーツ・杉原史恭)

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