母子家庭に育ったL秋山が届ける笑顔

6日のオリックス戦で、2適時打を含む3安打の活躍を見せる西武・秋山翔吾=西武プリンスドーム(撮影・吉澤敬太)
招待したひとり親家庭の親子たちと笑顔を見せる西武・秋山翔吾(中央)=西武プリンスドーム(撮影・吉澤敬太)
試合後、母の日イベントにちなんだピンクのTシャツ姿で笑顔を見せる西武・秋山翔吾=西武プリンスドーム(撮影・吉澤敬太)
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 パ・リーグ打率トップを走る西武の秋山翔吾外野手(27)が6日のオリックス戦(西武プリンスドーム)から「ひとり親家庭への支援活動」を開始した。試合では2本の適時打を含む3安打と華麗な守備でチームを6連勝に導き、招待したひとり親家庭の親子たちに笑顔を届けた。

 小学生の時に父親を亡くした秋山は母親に育てられながら、父の夢だったプロ野球選手になるべく練習を重ねた。母もその夢を後押しした。体を大きくしてほしいと願い「残してもいいから、食べられるだけ食べてこい」と特に食事面を全力でサポート。秋山は「(八戸)大学の時も、わざわざ八戸まで(食料を詰めた)スーツケースを引きながら、神奈川から来てくれました」と当時を振り返って感謝した。

 秋山は2010年のドラフトで西武に3位指名されて入団。翌年は新人で開幕スタメンを果たし、その後はレギュラーとして活躍。2012年には侍ジャパンにも選ばれるまでに成長した。

 そして入団5年目の今年、プロ入り時からの思いを実現させた。それがこの日から始めた、ひとり親家庭の親子を球場に招待するというプロジェクトで、試合前には招待した親子にサインしたり、一緒に記念撮影をしたりして触れ合った。

 「僕自身も母親にすごく助けてもらいながら、ここまでこられたので、少しでも同じ境遇の子たちに球場に来てもらって、楽しい時間を過ごしてもらいたい」

 今後も6月23日のソフトバンク戦、7月5日ロッテ戦、8月1日ソフトバンク戦で活動を行う。「いろんな寂しさだったり、苦しさって言うのも正直なところあると思うんで、野球をやっている、見ている時間だけでも、笑顔になってもらって、家に戻った時にも思い出して、楽しい思い出として一緒に持ってもらえたらありがたいです」。

 招待した親子だけではなく、「今日も見に来ています」と言う秋山の母も、笑顔になったに違いない。「こうしてたくさんのファンの方に応援してもらってる場で野球をやってる姿を見せられているのは、すごくありがたいし、(母も)喜んでくれているんじゃないかな」。

 父親から託された夢を叶えた背番号55は、これからも多くの人に笑顔を届ける。(写真と文、デイリースポーツ・吉澤敬太)

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