110年ぶり快挙!尊富士の後半8日間撮影 カメラマン席から追った“持ってる男”の勇姿

 110年ぶりの新入幕優勝という快挙で幕を閉じた大相撲春場所。主役の尊富士は14日目の右足首負傷を押して千秋楽に出場し、本割で豪ノ山に勝って自力で偉業を成し遂げた。

 そんな“持ってる男”尊富士の奮闘をファインダー越しに追ったカメラマンの私が中日(なかび)からの8日間を振り返ってみた。

 8日目○竜電戦…土俵際最後のひと押しの腕が伸びた瞬間が顔にかかって見えず。

 9日目○阿炎戦…左の強烈な押っつけで阿炎に横を向かせたが尊富士の顔は横顔が少しだけ。

 10日目○大の里戦…向正面での決着で両者背中のみ。

 11日目○琴ノ若戦…勝負決まった瞬間は横顔。

 12日目●豊昇龍戦…投げられた瞬間の顔は見えるが行司が間に。

 13日目○若元春戦…勝負ありの瞬間は下向き。

 14日目●朝乃山戦…土俵下に落ちる瞬間の顔はハッキリ見える。

 千秋楽○豪ノ山戦…ぐうの音も出ないほどの背中。お手上げです。

   ◇    ◇

 取材できる場所は各社持ち回りで決まっており、当日の運次第で背中になったりバッチリ当たったりするのだが、それにしても我ながら“持ってない”。紙面で使う写真は、通信社のものや代表撮影になる支度部屋の様子なども含めた候補から選ばれるのだが、できれば自分の撮った写真を…と思うのが人情というもの。しかしこの8日間はそんなことを考える余地すらない“完敗”の日が多かった。

 次こそは-。とリベンジしたいところだが、4月の人事異動で写真部を離れる私にはもう機会がない。最後の現場取材が子供のころから大好きな相撲で、110年ぶりの快挙に立ち会えたのはこの上ない幸運だった。現場でお世話になったみなさん本当にありがとうございました。

(デイリースポーツ・和田康志)

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