【松本浩彦医師】運動では痩せない!痩せたいなら食べるな

 地域に密着して治療に当たる医師たちによる医療相談コラムを掲載します。毎回、各分野の専門医が親身になってご相談にお答えします。

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 【Q】会社で健康診断を受けるたびに「メタボなので痩せなさい」と指導を受けます。ジムにも行ってますが、なかなか痩せられません(40代男性)。

 【A】「痩せたいなら食べるな。食べたいなら痩せようと思うな」が王道です。運動してないから痩せられない、という患者さんが来られますが、そんなものは言い訳です。この場ではっきり言います。「運動では痩せられません」。

 例えば、1時間のウォーキングで消費するエネルギーはイチゴ大福1個分。連続4時間の縄跳び、実際には無理でしょうけど、もしやったとして、消費エネルギーはキツネうどん1杯です。4時間縄跳びするか、キツネうどん1杯辛抱するか、あなたならどちらを選びますか?

 生活習慣を改め、太りにくい体質を手に入れれば、誰でもやせられるし、リバウンドも起こりません。そのための一歩は、胃を小さくすることなのです。

 肥満大国アメリカでは肥満治療として、胃の一部を切除したり、ベルトで縛ったりして胃袋の容量を減らす「胃縮小手術」まで行われていますが、手術をせずに胃袋を小さくできれば、それに越したことはありませんよね。

 私が提唱している「胃袋ダイエット」は、脂肪分や炭水化物を減らすとか、野菜を多く摂るなど、余計なことを考える必要はありません。食べたければ間食をしても構いません。ただし、食べる量はすべて2割、減らしてください。

 その際、必ず目に見える形で始めるのがポイントです。主食、おかず、汁物、デザート、さらには水、お茶、お酒など、胃に入るすべてのものを普通に盛りつけ、それぞれ2割ずつ残します。とにかく「質より量」なのです。

 そして、残った食事は勇気を持って捨てなくてはいけません。「残して捨てろ」というと、みんな驚きますが、せいぜい1~2週間のことです。残った食事を捨てるのは、自分自身の甘えを捨てて「ダイエットするぞッ!」という意識を高めることにつながるからです。

 ◆松本浩彦(まつもと・ひろひこ)兵庫県芦屋市・松本クリニック院長。内科・外科をはじめ「ホーム・ドクター」家庭の総合医を実践している。同志社大学客員教授、(社)日本臍帯・胎盤研究会会長。

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