小国東洋V3も不調で年内ジム“出禁”
「東洋太平洋Sバンタム級タイトルマッチ」(18日、神戸サンボーホール)
ボクシングの東洋太平洋スーパーバンタム級王者・小国以載(VADY)が前王者で同級11位のロリ・ガスカ(フィリピン)との再戦を2-1の判定で制し、3度目の防衛に成功した。
昨年11月の前戦は、小国が2度のダウンを奪って大差判定勝ちだったが、今回は序盤から左右フックで圧力を強めてきた前王者に苦戦。タイトルマッチ4戦目にして初めてダウンを奪えない試合となった。相手にバッティングでの減点1がありながら最大4ポイント差の勝利に「初回にもらった左フックが1発効いて動けなくなった。世界はまだまだ」と現実を見据えた。陣営の高嶋穣会長は「出世が早かっただけにスランプは必ずくる。今は重症やな。ボクシングが崩れているので、しばらく休ませる」と年内のジム“出入り禁止”を通告した。
ただ、苦しみながらも勝利をつかんだ意味は大きい。試合後のリングでは、今年10月に交通事故で亡くなったファンの長田清正さん(享年39)の遺影を掲げて勝利を報告。「必ず勝つ」という約束を果たした。これでデビューから無傷の10連勝。休養でリフレッシュした後は、保持する東洋太平洋王座を防衛していく方針だが、新たな年の始まりを、世界への飛躍に向けた合図とする。