小橋引退表明「プロレスは僕の命です」
「ノア」(9日、両国国技館)
ノアの小橋建太(45)が9日、正式に引退を表明した。小橋はリング上から「完全復活は無理だと判断し、引退することを決意しました」と報告。残念がるファンに対し「プロレスは僕の命。もう一度だけリングに上がって完全燃焼したい」と来年のラストマッチを約束した。2月から長期欠場中の小橋は、復帰を目指し7月に首を手術。しかし、100%の回復は望めず、11月に「小橋建太のプロレスができなくなった」と最終決断したという。ケガや腎臓がんも不屈の闘志で乗り越え、絶大な支持を受けた男が、残り1試合でリングから去る。
「引退」の2文字を、ファンの声にさえぎられた。「復帰を目指し、頑張ってきました。しかし、依然として状態は悪く、完全復活は無理だと判断し…」。スーツ姿の小橋は、ここまで話すと、ひと呼吸入れざるを得なかった。「やめるな~」「嫌だ!」「年1回でもいいんだよ!」。女性だけでなく、男性ファンも涙し、次から次へと惜しむ声が飛んだ。リング上の小橋はありがたい叫びを、穏やかな表情で受け止め「引退することを決意しました」と続けた。
葛藤の末、11月に導き出した答えだった。ドクターストップははるか昔。満身創痍(そうい)で踏ん張った“鉄人”も、決断せざるを得なかった。首の故障の影響で4年前から左腕、左足に力が入らなくなっていた。
医師から「引退か緊急手術」を迫られ、7月に復帰を見据えて首を手術した。首に骨盤の一部を移植したが、直後の8月にセラミックを埋めた骨盤の一部の亀裂が判明。リハビリ、練習再開が大幅に遅れ、引退がちらついた。何度も迷ったが、「小橋建太のプロレスができなくなった」という思いが決め手になった。
「もう一度だけリングに上がって、区切りをつけたいと思います」。引退試合を約束すると、現実を受け入れたファンから温かい拍手が起こった。骨盤の骨が付くまで半年の見込みで、それまでは受け身も禁止。小橋建太の集大成は、早くても来春以降となる。それでも、少しでも往時の姿に近づいた自分を見せるために、10日もトレーニングの予定という。
88年のデビューから、「僕の命」というプロレスにすべてをささげてきた。たび重なるケガ、腎臓がんを乗り越えたのもプロレスへの熱い気持ちがあったからこそ。ラスト1試合。不世出の名レスラーが完全燃焼し、愛したリングから去る。
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