兵庫県警三田署は２３日、路上で会社員２人を殴ってけがを負わせたとして、傷害の疑いで、ボクシングの元ＷＢＣ世界スーパーフライ級王者の飲食店経営、徳山昌守容疑者（３８）＝本名洪昌守＝を逮捕した。逮捕容疑は２２日午後６時１５～２５分ごろ、兵庫県三田市の路上で男性会社員２人の顔面を殴り、軽傷を負わせた疑い。三田署によると、容疑を認めている。

　三田署によると、徳山容疑者は家族とともに買い物を終え、食事に向かうところだった。乗用車を運転中、別の車が急に車線を変えて前方に入ってきた。急ブレーキを踏んだ衝撃で、後部座席のチャイルドシートに腰掛けていた２歳の長女が助手席のシートに顔をぶつけて、後方シート下に転落。大声で泣いた。

　カッとなった同容疑者は車を止めて「どこ見とんや！！」などと言い、運転手の男性（２４）の胸ぐらをつかんで顔面を２回殴打し、頭突きをした。さらに、車道をふさいでいた男性の車を移動していたガソリンスタンドの男性店長（５３）の顔を窓越しに殴った上、車から降りた同店長の腹なども殴り、右足で左太ももを蹴った後、現場を立ち去った。

　通行人数人が警察に１１０番通報。被害者の男性店長が車のナンバーを覚えていたため、警察が照会したところ知人の車だった。知人から連絡を受けた徳山容疑者が警察に連絡した後、出頭した。

　同容疑者は「２人に悪いことをした。急な飛び出しと店員の誘導に対して腹が立った」と供述している。当時、酒は飲んでおらず、車のスピードも法定速度内だった。身柄は三田署にあり、２４日に神戸地検に送致される予定という。