今井リングアナ追悼興行にダンプら集結
「今井リングアナ追悼興行」(1日、後楽園ホール)
今井さん、ありがとう‐。7月29日に胃がんのため死去した今井良晴(ながはる)リングアナウンサー(享年53)の追悼興行が1日、東京・後楽園ホールで行われた。1990年代の女子プロレスを支えた名物リングアナを慕って、ジャガー横田、ダンプ松本ら多くの女子レスラーが集結。穏やかな笑みを浮かべた遺影が見守るリングで全力ファイトを繰り広げた。
この大会の実行委員長を務めるブル中野がオープニングのあいさつに立ち、「(今井さんは)さみしい雰囲気は好きじゃなかったので、きょうは楽しく盛り上げていきたい。今井さん、もう会場のどこかに来てるよね」と呼びかけて試合開始。今井さんが全日本女子プロレスのリングアナウンサーとして活躍した90年代に、ともに熱い時代を共有したトップ選手たちが全力ファイトをささげた。
メーンを務めたのはジャガー横田、ダンプ松本ら女子プロ隆盛時代にトップで活躍したレジェンドたち。リングアナでありながら、レスラーたちと同じ目線で戦い、ファイティング・スピリットを共有した今井さんに熱い思いを伝えた。
フィニッシュは井上京が豪快なパワーボムで渡辺智からフォール。試合後にマイクを取ったジャガーは、「今井ちゃん、見ていてくれましたか」と遺影に静かに語りかけた。30年来の友人で今井さんのプロレスにかける情熱を間近で見てきただけに、「これからも頑張るので、天国から見守っていてください」と走り続けることを誓った。
全試合終了後には選手代表として堀田祐美子がお別れの言葉を述べた。今井さんの人柄を物語るように、会場にはゆかりのある元選手、関係者が多数駆けつけた。「あらためて今井さんの人脈のすごさを知りました」としみじみと語り、全女時代に選手とともに笑い、泣き、怒り、誰よりも慕われる存在だったことを懐かしんだ。最後に志生野温夫アナウンサーのナレーションでメモリアル映像が流され、在りし日の今井アナのコールする姿を全選手、観客が食い入るように見つめていた。