【畑山評論】これが統一戦なのか…

 「IBF・WBA世界Sフライ級王座統一戦」(3日、ボディメーカーコロシアム)

 WBA・IBF世界スーパーフライ級王座統一戦は、IBF王者の亀田大毅(24)=亀田=が、計量失敗でWBAに王座を剥奪されたリボリオ・ソリス(31)=ベネズエラ=に1‐2の判定で敗れた。IBF立会人は、大毅が負けた場合は両王座が空位となると公言していたが、試合後に見解を翻した。IBFルールに基づき、大毅は王座にとどまると説明した。

  ◇  ◇

 【畑山隆則の目】ボクの採点では5、6点差で大毅選手の判定負け。余りにも手数が少ないし、打ってはくっ付いてクリンチばかりという戦い方では勝てない。そもそも、この試合が王者同士の統一戦なのかというくらい試合内容には疑問符が付いた。統一戦といえば、井岡一翔‐八重樫東戦(12年6月)や、4団体公認前だけど長谷川穂積‐フェルナンド・モンティエル戦(10年4月)のように、これぞチャンピオン同士の戦いというものを見せてくれたのにね。

 まず試合前のソリスの体重オーバーといい、大毅選手の戦いぶりといい、王者としての矜持(きょうじ)が全く感じられない。ただ勝てばいいというボクシングでは、見ている人に感動は与えられないし、記憶に残るボクサーになれるわけがない。倒されるリスクがあるかもしれないけど、“やるか、やられるか”という覚悟で倒しに行く姿に共感を覚えるんだからね。

 ものすごく強い王者ならともかく、減量に失敗した相手にこんな戦いしかできないのはつらいね。減量の影響が出ているのか、すぐにバテるし動きにも覇気がない。韓国での防衛戦で苦戦した興毅選手を含めて、試合内容が変わってない。今後も厳しいと思うよ。(元WBA世界スーパーフェザー&ライト級王者)

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