山中V6“神の左”さく裂!5連続KO
「WBC世界バンタム級タイトルマッチ」(23日、大阪城ホール)
王者・山中慎介(31)=帝拳=が挑戦者シュテファーヌ・ジャモエ(ベルギー)を9回TKOで下し、6度目の防衛を日本歴代2位タイとなる5連続KOで飾った。序盤から上下に打ち分けるワンツーで一方的に攻め立て、合計4度のダウンを奪う圧勝。左ストレートでKOを量産してきたが、今回は初めて左ボディーでトドメを刺した。今後は団体統一戦の実現を模索する。
“神の左”が浪速の地でも火を噴いた。1万3000人の大観衆の前で見事に王座を守った山中。「期待に応える試合ができなかったですが、KOで終われて、盛り上がって良かったです」と、控えめに喜びを表現した。
ベルギー初の世界王者を狙うジャモエとの力の差は歴然だった。2回に得意の左ストレートでダウンを奪い、その後も上下に打ち分けるワンツーで圧倒。8回には左で2度のダウンを奪い、9回開始早々に左ボディーでトドメを刺した。
それでも「すぐに力の差は分かった。あれなら6~8回には倒さないと」と、挑戦者に粘られたことに不満顔。一撃KOが多かっただけに、「1発当たってからのつなぎに課題が出た」と、淡々と振り返った。
王者になって初の関西凱旋で、3500人の応援団には「力になりました」と感謝。また、憧れの人である辰吉丈一郎からも祝福され「ほめられたんでね。話しかけてもらえてうれしいです」と、感慨深げに話した。
気になる今後は統一戦を模索する方向。所属ジムの本田明彦会長が「何とか決めたいね。時間かけてでも交渉する」と話すように現状は難しいが、IBF同級1位で指名挑戦者のランディ・カバジェロ(米国)が王座奪取すれば有力候補になるとのこと。“神の左”は、すごみを増し続ける。