“ミスタープロレス”天龍が年内で引退
“ミスタープロレス”こと天龍源一郎(65)が現役引退を決意したことが7日、明らかになった。9日に都内で会見し、正式表明する。関係者によると、病気が理由でないといい、年内にラストマッチを行うという。角界から全日本プロレス入りしてレスラーデビューした76年11月以来39年、大相撲時代を含めると64年1月場所の初土俵以来51年にわたる格闘技生活にピリオドを打つ。
天龍がリングを降りる決断をした。脊柱管狭窄(せきちゅうかんきょうさく)症の手術を克服し、12年12月に1年1カ月ぶりに復帰後も定期的に試合を行い、元気な姿を見せていただけに驚いた関係者も多い。
昨年末には決意していた。師匠・ジャイアント馬場さんの命日である1月31日に全日本の後楽園ホール大会で行われた十七回忌追善大会に出場したが、すでに引退を決めていた本人側から“最後に馬場さんの節目の大会に出場させていただきたい”という申し出があり、6年10カ月ぶりの古巣復帰が実現したという。試合では初対決の諏訪魔にグーパンチをさく裂させるなど、気合満点のファイトで観客を沸かせていた。
伏線はあった。昨年12月2日、東京・新木場1stRINGで行われた天龍プロジェクト14年最終興行で、15年の目標を聞かれた際「“ソフトランディング(軟着陸)”に入ってるから、体調を上げていって、当たったことない人たちとやれたら」と意味深なコメントを発していた。
大相撲出身のレスラーとして、マット界で輝かしい功績を残した。76年9月場所を最後に角界を去り、全日本に入団。81年7月に故ビル・ロビンソンさんと組み、馬場さん&故ジャンボ鶴田さんの持つインタータッグ王座に挑戦しブレーク。以後は鶴田さん、長州力らと激闘を演じ、マット界のトップに長きにわたって君臨した。
最大の勲章は馬場&アントニオ猪木(現参院議員)超えだ。89年11月にタッグながら馬場さん、94年の1・4東京ドームでは猪木氏にフォール勝ち。2人からスリーカウントを奪った唯一の日本人レスラーとなった。
歴史に名を刻んだ“ミスター・プロレス”のラストマッチは年内になるという。2日に65歳を迎えた天龍だが、最後まで闘志あふれる戦いぶりでファンを魅了するはずだ。