元東洋ランカー福原氏が鳥取にジム開設
昨年8月に現役を引退したボクシングの元東洋太平洋、日本ランカーの福原寛人氏(29)が4月1日に鳥取市内に「結花スポーツボクシングジム」を開設し、会長に就任した。当面はアマチュアを対象とした活動となるが、将来的にはプロ加盟を視野に入れている。現役時代、大半の試合を“敵地”で戦ってきた福原会長。自身が果たせなかった王座獲得の夢を、新天地で愛弟子たちに託す。
現役時代の福原会長は、地元である岡山県津山市の江見ジムに所属。マッチメーク、練習相手などで不利があることは承知の上で、地元にこだわり、王者を目指した。“アウェーの洗礼”という言葉では到底納得できないような判定を下されたこともある。それでも、2004年にフェザー級で新人王西軍代表となり、11年8月には当時10戦10勝(10KO)の売り出し中のホープ・土屋修平(角海老宝石)と対戦し、惜しくも敗れたものの、闘志むき出しのファイトで敵地・後楽園ホールの会場を沸かせた。しかし、地方ジムの実力派に、主要タイトルに挑戦するチャンスはついに訪れず、14年4月にアドニス・アゲロ(フィリピン)に8回TKOで敗れた試合を最後にグローブを吊るした。
「ボクシングを続けてきたことで、多くの人とつながることができました。ボクシングで生きてきたので、それがなくなるのは寂しかった。引退してもボクシングの中におりたかった」と、第2の人生としてジム設立に動いた。
昨年8月に鳥取県で初めて行われたプロボクシング興行で引退式を行ったことに加えて、江見ジム・佐々木栄治会長など周囲のアドバイスもあり、新天地を鳥取に定めた。「現役時代の僕が津山や江見ジムにこだわったように、鳥取からチャンピオンを目指したいと思っている人もいるはず。将来的には鳥取で興行もしていきたい」。現在、日本プロボクシング協会加盟のジムが存在しない鳥取県で開拓者となる決意だ。
理想としていた以上の物件が見つかり、このほどジムは完成。スタッフにはダイエット・エステの専門家も擁し、健康目的や女性の会員も大歓迎となっている。「ボクシングを通じて人と人が結びつき、いろいろな花を咲かせていくという意味を込めて“結花”と名づけました」と福原会長。山陰からボクシング界に新しい風を巻き起こす。
◇ ◇
「結花スポーツボクシングジム」
◆〒680-0801鳥取市松並町2丁目160番地 城北ビル209号
◆電話0857-30-4466