一翔、全裸で計量「恥ずかしさはない」
「WBA世界フライ級タイトルマッチ」(22日、大阪府立体育会館)
調印式、ルール会議と前日計量が21日、大阪市内で行われ、4選手とも1回でパスした。世界最速3階級制覇に挑む井岡一翔(26)は王者フアンカルロス・レベコ(31)陣営の猛クレームにより、パンツを脱がされリミットでクリア。全裸の屈辱はリングでお返しするしかない。初防衛戦に臨む王者・高山勝成(31)は会場に堂々と遅刻し、余裕を漂わせた。
一翔が計量器に乗った時、重りが大きく揺れた。王者陣営から「アップだろ!」とのクレーム。「正々堂々、納得してもらえればいい」と、パンツを脱ぐしかなかった。
ボード一つで大事な部分を隠され再び乗った。その恥ずかしい姿の前でなおも「アップ、アップ!」と怒声は響いた。「(計量器に)触るな!」と井岡陣営も応酬。騒然となる中、立会人はようやく「OK」と確認した。
強烈な揺さぶりだった。当初、午後1時の計量開始が王者陣営が「なぜ早くやらない!?」と大騒ぎし、15分の前倒し。一翔は50・8キロのリミットを確認していたが「何グラムか微妙」な誤差が生じた。
全裸での計量は「2回目」と言うが、大勢の報道陣の集う世界戦では初。「計量なので恥ずかしさはない。お互いリミット。何の思いもなくリングに上がれる。それだけ向こうも必死だということ」と動揺はない。受けた屈辱は拳で倍返しにするだけだ。
全裸にはさせられたが、レベコはすでに“丸裸”にしている。右手の防御が遅い弱点は明らか。左からのジャブ攻撃で弱らせ、左ボディーで仕留める戦略に狂いはない。
壇上には叔父・弘樹氏(46)も並び「何が何でも勝ってくれる」と夢を託した。叔父から数えて6度目となる3階級への挑戦。「最後の挑戦になるよう必ず勝つ。どんな展開も覚悟している。後は気持ち」と死力で井岡家の悲願達成を誓った。