田口TKOで初防衛「僕も覚醒したい」

 「WBA世界ライトフライ級タイトルマッチ」(6日、大田区総合体育館)

 ボクシングのWBA世界ライトフライ級王者・田口良一(28)=ワタナベ=が8回36秒、TKO勝ちで初防衛に成功した。5度のダウンを奪う一方的な展開で強さを見せつけた。WBO女子世界ミニフライ級タイトルマッチは、王者の池原シーサー久美子(30)が7回負傷判定で2度目の防衛を果たした。

 マットに這(は)わせること5度。田口が、鬼門と言われる初防衛戦をTKOで突破した。

 距離を詰め、大振りしてくる挑戦者をいなした。スイッチを繰り返してペースをずらし、前に来る相手を止め、的確にパンチを浴びせた。2回終了間際、右ストレートを打ち下ろして最初のダウンを奪うと完全にペースを握った。

 5回には打ち合いの中、右カウンターで2度目の、6回は左右の連打で3度目、7回も右の打ち下ろしで4度目のダウンを奪う一方的な展開。うち3度がラウンド終了間際で詰め切れなかった。

 フィニッシュは8回、赤コーナーに詰めると左右の連打を浴びせた。何とか立ち上がった挑戦者だが、レフェリーが体を抱きかかえた。12年7月以来、6試合ぶりとなるKO勝ちだった。

 「8回はセコンドに『最初から行け』、と言われていた。お客さんの“倒せオーラ”も感じていたし、判定までいったらヤバイなと」と振り返った。「本当は、もっとまとめて2、3回で終わらせたらよかった」と言うものの、「KO」はテーマだっただけにうれしい。

 「あの山中さんも最初の8試合でKO勝ちは2つだけなんですよね。どこかで覚醒したと思うんです。僕も覚醒したい」と、“神の左”と呼ばれるKOアーティストの履歴に興味を抱いている。

 昨年暮れ、王座を獲得した試合では280人だった応援団が今回は400人に増えた。田口が一回り大きくなった姿を見せた。

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