長谷川メイウェザー流鉄壁防御で復活へ

 「ボクシング10回戦」(9日、神戸市立中央体育館)

 ボクシングの元世界2階級王者・長谷川穂積(34)=真正=が8日、神戸市内で前日計量を行い、対戦相手のオラシオ・ガルシア(24)=メキシコ=とともに一発パスした。進退をかける1年ぶりの再起戦へ、復活の鍵はメイウェザー流の鉄壁防御。「おもしろくない試合」で強打の24歳を封じ“限界説”を一蹴する。

 ガルシアの到着が遅れ、長谷川は20分以上も待たされた。計量会場で初対面し笑顔で応じたが、「非常にいい体。負けないように」と闘志に火が付いた。

 29戦全勝21KOを誇る24歳は相手の左腕を骨折させたこともある壊し屋。「防御7、攻撃3でやりたい」と危険な敵を封じるのは、かつての鉄壁防御だ。

 長谷川はWBC世界バンタム級王座を10度防衛。V5までは判定勝ちが多かったが、V6からはすべてKO勝利。倒して沸かせる快感とともに被弾するリスクも増えていった。

 V5時代のスピードと防御を取り戻せるかが復活の鍵だ。「おもしろくない試合ができたらいい」と、KOは封印して臨む考えだ。

 お手本はメイウェザーという。パッキャオとの世紀の一戦に判定勝利した姿をTV観戦。「ボクサーとしての完成形」と改めて防御の大切さを痛感した。

 4月30日に西脇市の実家に帰省。10年10月24日に天国へ旅立った最愛の母・裕美子さん(享年55)の墓をお参りした。父・大二郎さんは「月命日以外で来るのは珍しい。思うものがあったのだろう。長いこと参っていた」と、腹をくくっていることを察した。

 昨年4月23日、IBF世界王座に挑み7回TKO負け。悩み抜いて決断した1年ぶり再起戦。直前に右足首をねん挫し、ぶっつけ本番ながら「それも実力」と言う。負ければ次はない39戦目に穂積が臨む。

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