高野完敗 4回連打浴びタオル投入
「ボクシング・WBO世界女子スーパーフライ級タイトルマッチ」(11日、後楽園ホール)
高野人母美(28)=協栄=が壮絶に散った。世界初挑戦は王者ダニエラ・ロミナ・ベルムデス(24)=アルゼンチン=の猛攻の前に4回KO負け。世界の壁は厚かった。
崩れ落ちた。4回、高野が王者の連打を浴びてダウン。カウントが進む中、陣営がタオルを投げ込んだ。完敗だった。1回終盤、もみ合いの中、身に付けた必勝祈願のお守りが場外に飛ぶ「不吉」が現実となった。
立ち上がりはリーチ差を生かし、バックステップで自分の距離をつくった。しかし2回、反撃に遭い、形勢逆転。動きが鈍くなり、3回には鼻から出血した。被弾し「出てくる彼女に対応できなかった。焦って手が出せなくなってしまった」と唇をかんだ。
東洋太平洋王座獲得から直行でつかんだチャンスとはいえ、2階級下げての世界挑戦は過酷だった。減量苦と世界戦のプレッシャーで不眠症になり「追い込まれている感じ。いっぱいいっぱい」と口にしたこともあった。
今後について聞かれた高野は「正直、負けるとは思っていなかった。今は頭の中が真っ白です。しばらく休みたい」と涙ぐんだ。金平会長は「人母美次第」と話した。