木村劣勢から粘り判定勝ち涙の世界王者

 「ボクシング・WBC世界ライトフライ級タイトルマッチ」(28日、ゼビオアリーナ仙台)

 ボクシングのダブル世界戦が28日、仙台市内で行われ、木村悠(32)=帝拳=が王者ペドロ・ゲバラ(26)に判定勝ちし、WBC世界ライトフライ級新王者となった。WBC世界スーパーフライ級タイトルマッチは、挑戦者の江藤光喜(27)=白井・具志堅=が、王者カルロス・クアドラス(27)=メキシコ=に判定負けを喫した。

 1-1に割れたジャッジ。最後の一人はどちらに軍配を上げるのか。会場の誰もがかたずをのむ中、「木村」の名がコールされた。新王者は、リングの上でうれし涙を流した。

 立ち上がりは王者にペースを握られた。4回終了時の公開採点では0-3と大きく差を付けられた。5回にはカウンターの右をもらい、ぐらつく場面もあった。

 しかし、そこから粘り強かった。「採点を聞いて、開き直って前に出ました」と、攻勢に転じた。ボディーを効果的に決め、ガードが下がると見るやワンツーを決めた。中盤以降は完全に主導権を握り続けた。

 「ゲバラがキツそうなのが分かった。自分のことを警戒していなかったと思う。隙があったのでは」と、控えめに振り返った。

 商社に勤務しながらキャリアを積んできた。アマ時代からのライバル五十嵐俊幸(帝拳)、八重樫東(大橋)が先に世界王者となる中で「オレは何をしているのか」と焦った時期もあったが、ようやく報われた。

 試合前、久実子夫人から手紙をもらった。「勝っても負けても悔いのない試合を」の言葉に覚悟を新たにした。「自分が世界チャンピオンなんて夢のよう」とはにかんだ。層の厚い日本軽量級に新たなスターが誕生した。

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