田中恒成 初防衛戦でベストファイトを
「ボクシング・WBO世界ミニマム級タイトルマッチ」(31日、愛知県体育館)
調印式と前日計量が30日、名古屋市内で行われ、初防衛を目指す王者・田中恒成(20)=畑中、同級4位ビック・サンダール(25)=フィリピン=ともに47・5キロで、1回でパスした。
筋肉を誇示するように田中が両拳を握ってガッツポーズをつくる。「しっかりいい調整をしてこられた。ぜひKOさせてもらいたい」と挑戦者をリングにはわせる覚悟だ。
体が大きくなりつつあることを自他ともに認める。29日の予備検診でも日本人最速で世界王座を獲得した5月の試合前に比べ、胸囲は4・5センチアップの81・5センチと進化を実証済みだ。
その分、キツさの増した減量は大好物で乗り切った。1カ月半あった減量期間の終盤は1日1食。野菜ミックス、茶わん半分の白米でしのいだ。そして50グラムを切る薄切り豚肩ロースの焼き肉は外せない必勝メシ。「肉が好きなんで、焼き肉のたれをかけて食べます。『我慢できてないメシ』ですかね。リミットに合わせられればいいんでしょ」と以前話していた。過酷な減量でも自己流を貫いた。
前夜に井上が2回TKOで初防衛、八重樫東は3階級制覇を果たした。「他の日本人王者はみんなすごいですし、それに比べて俺はまだまだ。俺は俺でベストファイトをしたい」。先輩世界王者の激闘は関係ない。100%を出し切って1年を締めくくる。