“ビリギャル”ボクサー完勝デビュー 号泣…リングで「ひっく、ひっく」

デビュー戦を飾り号泣した小村楓香は試合後、同級生らに囲まれる
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 「ボクシング・女子48キロ契約4回戦」(7日、エディオンアリーナ大阪第2競技場)

 関西初の現役女子高生プロボクサー・小村楓香(19)=門真西高2年、グリーンツダ=が長井香織(26)=明石=に判定3-0(40-36、40-37、40-37)で完勝し、デビュー戦を飾った。

 入場曲はE-Girlsの歌う「踊るポンポコリン」。会場の空気をノリノリにしてリングインした。

 試合前は控え室で4度も泣くほどの緊張していたが、リングでは落ち着いた。体を揺すりながら前に出てワンツーと、右をヒットさせると勢いに乗った。

 2回にはセコンドから本石昌也会長が「ワンツーでいいよ」と助言すると「はい!」と大声で返答。初々しさも見せ、試合のペースを握った。3、4回、被弾もしたが、積極果敢に攻め抜いた。

 ほぼフルマークの勝利に試合後は涙が止まらなかった。マイクでのあいさつでは「きつい練習をしてきたので、ひっく、めっちゃ足が震えて、ひっく、初めてパンチをもらって、びびっちゃって、ひっく」と泣きながら、応え会場を笑わせた。

 女優の川島海荷に「似ている」と言われるアイドル系。中学2年時に空手からボクシングに転向してプロを目指した。だが高校2年で「夜遊び」を繰り返すなど、道を踏み外して落第。今春も進級できず、4月からは3度目の2年生として学校に通う。

 昨年3月13日にプロテストに一発合格。WBC女子世界ミニフライ級王者・黒木優子が高校在学中にデビューした例はあるものの、関西では初めての現役JKプロとなった。

 2度落第した“ビリギャル”の支えが毎年、増えていく級友たちだ。この日は昨年と今年の同級生を合わせ約20人のミニスカート姿のJKが「小村楓香FIGHT」などボードを掲げ応援。試合中に目に入った小村は「ウルッと来た。まだ頑張らないとと思った」と勇気づけられた。

 151センチの小柄ながら女子では屈指のパワフルさと、スター性がある。本石会長は「会場の雰囲気が変わったでしょ。この娘は持ってるものがある」と力を込めた。年内にあと1、2戦を予定し、じっくり育成する方針だ。

 「当たる感触は良かったし、右が当たった。倒そう倒そうと思っていた。KOできなかったので点数は半分以下」と“ビリギャル”は自己採点も厳しめだったが、試合会場ではプロマイドが発売され、サイン会と握手会が開催されるなど、まるでアイドルのような注目。20歳での高校卒業と世界王者を目指し、19歳女子高生のシンデレラストーリーが始まった。

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