長谷川35歳で肉体進化 身長差7・5センチも“長身キラー”自任
「ボクシング・WBC世界スーパーバンタム級タイトルマッチ」(16日、エディオンアリーナ大阪)
ダブル世界戦の予備検診が13日、行われ、神戸市で受診した元世界2階級制覇王者・長谷川穂積(35)=真正=は異常なしと診断された。身長、リーチでともに王者を7・5センチ下回ったが、“長身撃ち”には絶対の自信。2年前の世界戦から胸囲が2・8センチ増えるなど、35歳にして進化する肉体で3階級制覇に挑む。都内で受診した11度目の防衛を狙う山中慎介(33)ら3選手も異常はなかった。
世界戦に向けた恒例の予備検診に一人きり。国内最多世界戦16度目の長谷川は「初めて。相手がいない。変な感じ」と、キョロキョロして苦笑いした。
だが、そこは百戦錬磨。きっちり盛り上げるのが穂積流。「ルイスは身長が高い。でかい方がイメージしやすい」と、自ら“対決ムード”を演出した。
2年5カ月ぶり世界戦へ、“長身キラー”を自任。「ブルゴス、ベチェカも大きかった」。10年、2階級制覇した時の相手・ブルゴス(メキシコ)、07年、WBC世界バンタム級V4防衛時の相手・ベチェカ(南アフリカ)と長身を攻略してきた実績は十分だ。2人と戦った当時の映像を今も繰り返し見て、“ルイス撃ち”への自信は深まっている。
「懐に入り込める。バッティングの心配なく思い切って踏み込める。きれいな顔で終わりたいですから」。無傷で5年5カ月ぶりの世界王座は理想だ。
前回世界戦より胸囲は2・8センチ分厚くなった。パワー増に成功しながら、過酷な夏場の減量も乗り越え、この日の練習打ち上げでリミットに達した。
勝てば国内最年長35歳9カ月での世界王座奪取、負ければ引退となる「ラストチャレンジ」。検診後、「いや何か(会見が)一人ですいません」と報道陣に頭を下げて笑わせるなど、レジェンドに気負いはない。