長谷川 因縁のグローブ10年王座陥落時に“不正疑惑”…生涯2度目のメキシコ製

 「ボクシング・WBC世界スーパーバンタム級タイトルマッチ」(16日、エディオンアリーナ大阪)

 ダブル世界戦の調印式と記者会見が14日、大阪市内で行われ、元世界2階級制覇王者・長谷川穂積(35)は“因縁グローブ”に警戒感を漂わせた。10年4月、フェルナンド・モンティエル(メキシコ)に4回TKO負けし、WBC世界バンタム級王座V11を阻まれて以来のメキシコ製グローブ。当時、内部のスポンジ部分に不正を施した疑惑があっただけに、陣営は試合直前まで厳正なチェックを要求した。日本歴代2位に並ぶ11度目の防衛を狙う山中慎介(33)はKO勝利に自信を見せた。

 因縁としか言いようがない。かつて長谷川が君臨したWBC世界バンタム級王座。そのベルトを継ぐ山中がV11を狙う日に、自らのV11を阻んだ“悲劇のグローブ”をはめる。

 10年4月、王座を陥落したモンティエル戦以来、生涯2度目のメキシコ製。調印式では笑顔を浮かべた35歳だが帰り際、グローブに関し問われると「薄いのは薄い。でも相手も同じものを使う」とピリピリ感を漂わせた。

 陣営にも嫌な記憶として残る。試合前日、モンティエル陣営がメキシコから持ち込んだグローブの使用を要求。問題なかったことから変更を許した。

 試合が始まると長谷川は異変を感じた。「コンクリートで殴られているかのよう」と訴えた。結果はあごを骨折する惨敗。試合後、陣営は内部のナックル部分を保護するスポンジがずれる構造であることを発見した。

 あくまで疑惑でしかない。しかし、今回は入念にスポンジがずれないかチェック。試合直前まで日本ボクシングコミッション(JBC)の厳正な立ち合いも求めた。山下正人会長は「(不正を)しないようにというより、後でそれを理由にしたくない」と話し、不安要素を一切入り込ませない。

 壇上は長谷川の独壇場だった。王者には「見た目は好青年」と笑わせ、山中には「2人で勝って遊びに行きたい」とエール。6年前の悪夢を乗り越え、3階級制覇の時は来た。

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