長谷川穂積、試合45日前に左拳骨折していた
「ボクシング・WBC世界スーパーバンタム級タイトルマッチ」(16日、エディオンアリーナ大阪)
挑戦者で同級5位の長谷川穂積(35)=真正=が、9回終了TKOで王者のウーゴ・ルイス(29)=メキシコ=を破り、3階級制覇を達成した。長谷川は2011年4月にWBC世界フェザー級王座から陥落して以来、5年5カ月ぶりに世界王座に返り咲いた。
9回にルイスの左フックの強打をもらいぐらついた長谷川だが、ロープ際に追い込まれながらも、そこから猛連打。一切逃げることなくピンチをチャンスに変えると、この回終了後に王者陣営が棄権を申し出て、王座を奪取した。
試合後、長谷川は45日前に左親指を骨折していたことを明かした。スパーリングを開始した直後に左親指の付け根を骨折。しかし試合をキャンセルすることは考えず、折れた翌日から右手だけで練習、スパーリングを再開したという。左パンチが打てるようになったのは試合2週間前、痛みがなくなったのは1週前だった。この日も座薬を入れて戦った。
「右だけで練習して、その右が試合に生きた。でも、結果が出たから言えること。負けていたら言えない」。試合同様、強い気持ちが劇的な勝利をもたらした。