ボクシングの畑中ジムは３１日、ＷＢＯ世界ライトフライ級２位の田中恒成（２１）が１２月３１日に岐阜市の岐阜メモリアルセンターで同級１位のモイセス・フエンテス（３１）＝メキシコ＝と王座決定戦を行うと発表した。勝てば、井上尚弥（大橋）と並んで日本選手最速の８戦目での２階級制覇となる。戦績は昨年５月に日本選手最速のプロ５戦目で世界王座に就いた田中が７戦全勝（４ＫＯ）。元ＷＢＯミニマム級王者で同ライトフライ級の暫定王者になった経験のあるフエンテスは２７戦２４勝（１３ＫＯ）２敗１分け。

　前王者がベルトを返上し巡ってきたチャンス。対戦するモイセスは田中と同じ右ボクサーファイターで、映像から受けた印象について「超攻撃的でパワーがある選手。今までの相手に比べて一段レベルが上がる」と気を引き締めた。

　陣営も「間違いなく、過去最強の対戦者」と警戒する。厳しい展開を覚悟する畑中会長だが、「接戦になるとは思うが、必ず最後に手を上げているのは恒成」と必勝を誓った。

　７カ月ぶりの実戦に「長いこと試合してなかったんで楽しみ。爆発させたい」と、田中にひるむ様子は全くない。さらには「判定じゃなくＫＯを狙っていく」とファンを喜ばせるつもりだ。

　プロデビュー５戦目での世界王者は最速記録。現在、７戦７勝（４ＫＯ）で、８戦目での２階級制覇は史上最短記録に並ぶことになるが「記録はどうでもいい。実力で評価してもらいたい」と、内容にこだわる姿勢を打ち出した。