向井“五度目の挑戦”でベルト!尚弥挑戦を熱望
「デイリー後援・ボクシング・WBOアジアパシフィックスーパーフライ級王座決定戦」(23日、住吉スポーツセンター)
六島、森岡ジム合同興行「5大タイトルマッチ」が大阪・住吉スポーツセンターで開催され、WBOアジアパシフィックスーパーフライ級王座決定戦では、同級4位・向井寛史(30)=六島=が2回1分27秒TKOで同級3位・インタノン・シッチャモアン(29)=タイ=に圧勝し、悲願の初タイトルを獲得した。
ともに世界挑戦の経験のあるサウスポーの激突は、わずか2回で決着が付いた。2回、リング中央で向井が左ボディーフックを放つとインタノンが苦悶の表情でうずくまる。何とか立ち上がったが、連打で試合は終わった。
これまで世界戦2度、東洋太平洋1度、日本王座戦1度の計4度のタイトルマッチで結果を残せなかった向井だが、初タイトルは拍子抜けするほど圧勝で獲得した。
「こんなこと言っては何ですけど…(インタノンは)超弱く感じた。まあ、自分がしっかり準備できたからかもしれませんが。でも、ベルトというプロボクサーとしてのひとつの形を成し遂げたことで、応援してくれる方にも応えることができてうれしいです」。“五度目の正直”で獲得したベルトの重みを感じた。
ロンドン五輪ボクシング男子ミドル級金メダリスト村田諒太(帝拳)と南京都高(現京都広学館)の同級生で村田が主将、向井は副主将を務めた。世界戦を視野にとらえる同級生に負けていられないという気持ちもある。
この王座を獲得したことでWBOのスーパーフライ級世界ランク入りが確実視される。「WBOスーパーフライ級王者は“絶対王者”の井上尚弥選手。挑戦したい。井上選手は1位の選手としか戦わないと言っているので、そこに向かって頑張ります」。初タイトルに満足することなく、“怪物王者”への挑戦を熱望した。