【一問一答】長谷川穂積引退「ボクシングは僕の人生のすべて」

3つのチャンピオンベルトを前に笑顔を見せる長谷川穂積=神戸市内のホテル(撮影・高部洋祐)
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 ボクシングのWBC世界スーパーバンタム級王者・長谷川穂積(35)=真正=が9日、神戸市中央区の神戸ポートピアホテルで会見し、現役引退を表明した。11日から米国フロリダ州ハリウッドで開催されるWBC総会に出席し、王座を返上する。

 以下、長谷川との一問一答。

  ◇  ◇

 (まず長谷川から)「私、長谷川穂積は9月16日の試合を最後に引退することを決めました。今まだWBC世界スーパーバンタム級チャンピオンですが、2日後のWBC総会に出席してベルトを返上してこようと思っています。引退理由は自分自身に対してこれ以上証明するものがなくなったというのがひとつ。もうひとつは心と体と一致させて世界戦をして、世界チャンピオンになるという目標で戦ってきて、前回それを達成することができ、戦う理由ももうなくなって、前回以上の気持ちをつくるのが難しくなったというのが大きな理由です。チャンピオンのまま引退するという自分のわがままを聞いてくれた山下会長に感謝しています。17年間プロ生活を過ごしてきまして本当にいろんなことがあって、自分が思っていたようなボクシング人生ではなかったかもしれませんが、僕が思っていた以上の足跡を残せたボクシング人生になったかと思います。このボクシングという最高のスポーツに僕を導いてくれた父親に、そしていつもそばで僕を支えてくれた家族、スタッフ、友達、そして何よりも常にあたたかい声援で僕を迎えてくれたファンの方に心から感謝しています。ボクサー長谷川穂積の挑戦は今日で終わるんですけど、これから一人の人として長谷川穂積の挑戦はまだまだ続くのでこれからもよろしくお願いします」

 -引退を決意した時期、苦悩は。

 「試合終わってからやろうかな、もういいかなというのをずっと考えていて、11月の中旬くらいにはっきりした答えが出ました。ボロボロになって辞めるのもひとつの美学だと思いますし、多少の余力を残して辞めるのもひとつの辞め方だと思います。僕はチャンピオンのまま、できれば引退したい、自分が一番楽しい時に引退するのが一番かなと思って過ごしてきたので、このタイミングが一番かなと決断しました」

 -ファンからはまだ見たいという声も届いているのでは。

 「もう少し見たいなくらいで辞めるのも、ご飯と一緒でお腹いっぱいになるとおいしさが分からなくなるんですけど、腹八分目くらいがちょうどいいと思います」

 -家族の反応は。

 「娘は絶対やめてほしかったみたいなので喜んでいました。息子は『ええ~寂しいなあ~』と言ってましたね。妻は妻で一緒に戦ってきたので、辞めるとなったら寂しさはあるみたいですけど、まあ長谷川穂積はいつまでも長谷川穂積なので、次のステージが頑張ろうと思います」

 -お父さんは。

 「『良かったな、良かった、良かった』と言ってました。自分がボクシングを勧めたというのもありますし、健康で終わらせるということを頭に置いていると思うので、チャンピオンのままで身を引けるということもうれしく思っていると思います」。

 -天国のお母さんは。

 「もし母親が生きていれば、『あんたの好きにしたらいいよ』と言ってくれたと思いますし、健康でこれからもいろんなことに挑戦できるということに非常に喜んでいると思いますんで、本当に良かったと思います」

 -一番印象に残る試合は。

 「全部が全部が印象に残っていますし、ひとつも忘れていないんですけど…(少し考えて)どれが一番というのは難しいんですけど、初めてチャンピオンになった試合(ウィラポン戦)は夢がかなった瞬間だったのでうれしかったと覚えています」

 -今後については。

 「これからのことは少しずつ考えてはいますけど、少しだけ年内はゆっくりして、来年から新しいステージでチャンピオンになれるように挑戦したい」

 -デビューした18歳の自分に声をかけるとしたら。

 「そうですね…まあ、今からの君のボクシング人生は素晴らしいボクシング人生になるよ、という言葉をかけたいです」

 -最後に長谷川選手にとってボクシングとは。

 「ボクシングは僕の人生のすべてですから。これからもボクサーとして何かできることをしていきたいと思いますし、いつか死ぬ時もボクシングやってて良かったなと思うと思うんで、これからもずっとボクサー長谷川穂積として生きていきたいと思います」

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