「ボクシング・ＷＢＡ世界フライ級王座統一戦」（３１日、島津アリーナ京都）

　ボクシング史上最速の世界３階級制覇王者・井岡一翔（２７）＝井岡＝が１３日、大阪市内で練習を公開し、世界王者のまま９日に引退を表明した長谷川穂積氏（３５）を超えることを宣言した。大みそかに４度目防衛戦で王座統一を果たせば、国内２位の世界戦１３勝、王座防衛回数通算１０度（長谷川は連続）で偉大な先輩に並ぶ。

　「僕より先に王者になり、ボクシング界で時代を築いた方。（記録で）次の試合、肩を並べるのは光栄。僕はまだ現役だし、その記録も抜きたい」と迷わず言い切った。

　「最大のリスペクト」と言う８歳上の先輩は、自身が学生の時から世界王者に君臨した。だからこそ軽々しい言葉は言えない。王者のままの幕引きに「決断に敬意しかない。素晴らしいこと。あの方の夢が完成した」と頭を下げた。

　記憶にも記録にも残る関西のチャンプ。その系譜は自身が受け継ぐ。「インパクトを与える試合で今年を締めくくる」。他団体との王座統一、そして４階級制覇の夢へ－。一翔が“新時代”の旗手になる。