河野公平「アッ!と言わせる」“怪物王者”尚弥に立ち向かう
「ボクシング・WBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ」(30日、有明コロシアム)
挑戦者で元WBA世界同級王者の河野公平(ワタナベ)が20日、都内で練習を公開した。この日はシャドーとサンドバッグを打つ軽めの練習だったが仕上がりの良さを繰り返しアピールした。
河野は「井上選手はパウンド・フォー・パウンド。最高の選手ですけど、プレッシャーに押しつぶされず、開き直って行きます。アッ!と驚かせてやります」と、不利の下馬評をはね返すつもりだ。
渡辺均会長も「井上選手は飛び抜けて強いが、河野も勝負強い。どんな場面でも物おじせずに力を発揮する。テーパリット(ゴーキャットジム)、デンカオセーン(カオウィチット)、亀田(興毅)ら世界の強敵に競り勝っている。井上は常に圧倒しているからそういう試合をしていない」と、経験の差をアドバンテージと見ている。
13年に日本ライトフライ級タイトルマッチで判定負けした同門のWBA世界ライトフライ級王者・田口良一からは「とにかくパンチがハンマーで殴られたみたいに強いとアドバイスをもらった」と言う。とはいえ「最初からガンガン来ると思うので序盤か中盤、倒さないと勝てない」と打ち合いにも応じる構えだ。
8月31日に王座陥落し「しばらく何をする気も起きなかった。ボクシングは95%終わりだと思っていた」と引退の瀬戸際にいたことを明かした。渡辺会長から「井上尚弥からオファーが来ている」と聞かされ一気に燃えた。「こんなチャンスは来ない」と受諾した。
挑戦、防衛合わせて10度目の世界戦となる。36歳のベテランが、キャリアのすべてをつぎ込んで「怪物」に立ち向かう。