河野 打倒尚弥に秘策あり?「番狂わせは2回か8回」
「ボクシング・WBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ」(30日、有明コロシアム)
ダブル世界戦の前日計量が29日、都内で行われ、WBO世界スーパーフライ級王者の井上尚弥(23)=大橋=、挑戦者で前WBA世界同級王者の河野公平(36)=ワタナベ=ともにリミットの52・1キロでパスした。河野は再三繰り返してきた「番狂わせ」のラウンドを2回か8回と予告。秘策の存在をうかがわせた。またIBF世界ライトフライ級王座戦も王者・八重樫東(33)、挑戦者とも一回でクリアした。
ここまで作戦について語らなかった河野が口を開いた。計量を終えると果汁100%のジュースを口にし、芽衣夫人手作りのおにぎりと弁当をゆっくりと食べながらポツリ、ポツリと話した。
「イメージは混戦ですね。井上選手は距離がきれいなボクサーなので、やりにくい距離に持っていきたい。根負けさせて最後にパンチが当たれば。チャンスはある」と、頭の中の映像を言葉にした。
「やってみないと分からないけど早い回なら2回、それとも8回くらいに何かが起きると思う」と、百戦錬磨のベテランが経験と技術を総動員してシミュレーションした。
何回も見た井上尚の試合映像で参考になったのは2試合前、5月のダビド・カルモナ(メキシコ)戦だった。この試合の井上尚は序盤に右拳を痛めたとはいえ、カルモナの巧みな位置取り、堅いディフェンスに手を焼いたのも確か。井上尚が世界戦初の判定に持ち込まれた一戦にヒントを得た。
相手は河野との防衛戦の先にある、ローマン・ゴンサレス(ニカラグア)とのビッグマッチをにらんだ発言を繰り返している。逆に河野といえば「失うものはない」と、井上尚戦しか見ていない。渡辺均会長は「井上に隙が出るのではないでしょうか。目の前の試合に懸けるという意味では河野の方が強い」と、まな弟子を送り出す。