「ボクシング・ＷＢＯ世界スーパーフライ級タイトルマッチ」（３０日、有明コロシアム）

　王者・井上尚弥（２３）＝大橋＝がカウンターで放った強烈な左フックに物をいわせ、前ＷＢＡ世界スーパーフライ級王者の河野公平（３６）＝ワタナベ＝を６回ＴＫＯで下し、４度目の防衛に成功した。怪物に果敢な接近戦を挑んで散った河野は進退について明言を避けた。

　玉砕した河野は「井上君はうわさ通りジャブがすごく強くてテクニックもあった」と白旗を揚げた。序盤は警戒していたボディーを耐えたものの、最後は攻勢に出たタイミングでカウンターに沈み「自分からいかないと何もなかったので仕方ない」と肩を落とした。

　ワタナベジムの渡辺均会長は井上尚について「（河野が）打とうとしたときに合わせてきた。やっぱり怪物ですね」と舌を巻いた。河野も「一ボクシングファンとして世界に突き進んで欲しい」と怪物にエールを送った。

　８月に世界王座から陥落し引退もよぎったが、千載一遇のチャンスに再起し「やることは全部やって充実した数カ月だった」と晴れやかな表情。今後については「ちょっと休んで…考えます」と明言はしなかった。