日本タイトル狙う赤穂亮、会長の“無言のゲキ”に応える
「日本バンタム級王座決定戦」(10日、後楽園ホール)
前日計量が9日、都内の日本ボクシングコミッション(JBC)で行われ、同級1位の赤穂亮(横浜光)は53・5キロ、同級2位の田中裕士(畑中)は53・4キロでともに一回でクリアした。
タイでの世界挑戦から約1年半、赤穂が日本タイトルを狙う。「強打者の証明をしたい。パンチがあると言われても、倒さなければ意味がない。KOでもTKOでもいい」とKOにこだわる。今回、スパーリングでは2階級上の日本ランカーを「毎回ボコボコにした」と手応えを口にした。
最大のポイントは減量だった。15年12月、体調不良により前日計量を棄権しメインに組まれていた試合が中止になった。その情けなさ、自分への憤りは今もある。「まだびびっている自分がいる。1回中止にしてしまうのは、負けるより失うものは大きい」と振り返った。
「今回、メインに組んでくれたのは(石井)会長の無言のエールだと思う。この大きなイベントで、メインの赤穂は譲らない、と推してくれた。一回裏切ってしまったけど、期待は裏切れない。万全に仕上げました」と、会長の思いに応える決意だ。
2度目の日本同級王座挑戦となる田中は「バッチリ仕上がっています。前回(16年3月、王座決定戦で益田健太郎=新日本木村=に8回TKO負け)は体が動かなくて、悔いしか残らなかった」と反省を生かす。
ジムメートでWBO世界ライトフライ級王者の田中恒成らとスパーリングを行い、スピードに磨きをかけたという。「僕の持ち味はスピードなので自分の距離で闘いたい」と気合十分だった。