タパレス計量失敗で王座剥奪 試合は決行、大森が勝てば新王者に
「ボクシング・ダブル世界戦」(23日、エディオンアリーナ大阪)
ダブル世界戦の公式計量が22日、大阪市浪速区のホテルで行われ、WBA世界フライ級タイトルマッチに出場する王者・井岡一翔(井岡)と同級2位のノクノイ・シットプラサート(タイ)はリミットで一発通過した。一方でWBO世界バンタム級タイトルマッチでは、挑戦者の同級6位・大森将平(ウォズ)は200グラムアンダーの53・3キロで一発クリアしたものの、王者のマーロン・タパレス(フィリピン)が再計量でも54・4キロと900グラムオーバー。計量をパスできず、王座を剥奪された。
試合は決行され、WBOルールに従い、大森が勝てば新王者。タパレスが勝った場合は空位となる。
タパレスは正午開始の調印式の直前に予備計量を行い、550グラム超過していた。そのため調印式には出席せず、体重調整に励んだ。グローブチェックや契約書サインなどの行事は後回しとなり、前代未聞の王者不在での調印式となった。しかし13時からの計量ではパンツも脱いで全裸で秤に乗ったが、なぜか体重はリミットの53・5キロを800グラムオーバーする54・3キロまで増えていた。15時までの2時間の猶予が与えられ、この間は何度秤に乗ってもいいが、クリアできない場合、王座が剥奪されることが確認された。
サウナに直行したタパレスは14時45分に再び計量に臨んだが、パンツをはいた状態で54・4キロと体重はまた増えた。結局、タパレスはここでギブアップ。「オオモリに申し訳ない」と涙を浮かべて謝罪した。初防衛戦を前に、王座剥奪が決まった。
国内で日本ジム所属選手が出場する世界戦で、王者が計量に失敗して王座をはく奪されるのは、大騒動に発展した2013年12月の亀田大毅(亀田)-リボリオ・ソリス(ベネズエラ)のIBF・WBA世界スーパーフライ級王座統一戦以来、今回が7度目。国内ジム所属選手以外も含めると、ノエル・アランブレット(ベネズエラ)-ガンボア小泉(フィリピン)で、王者のアランブレットが剥奪されている。