興毅が乱入 河野ぼう然…渡辺会長怒声
「WBA世界スーパーフライ級タイトルマッチ」(10月16日、シカゴ)
前代未聞の会見ジャックだ。日本人初の世界4階級制覇に挑む亀田興毅(28)が8月31日、都内のワタナベジムで行われた王者・河野公平(34)の正式発表会見に突然乱入し、KO宣言などで挑発した。予測不能の先制攻撃に会見場は騒然とし、度肝を抜かれた河野もぼう然…。奇襲成功の亀田はしてやったりの表情で喜色満面だった。
ようやく正式決定した亀田戦の記者会見の席で、河野が「モチベーションは最高に上がっている。敵地アメリカなので勝つにはKOしかない。必ず倒します」と意気込みを語っていたその時だった。
「おう、チャンピオン!」
ブルーのサマースーツにサングラス姿の挑戦者がいきなり現れ、河野の前に立ちはだかった。
「お互いベストに仕上げていい試合をしようや。今のうちベルトを磨いといてや」。挑発のセリフを並べると、グイと顔を近づけフェイスオフ(にらみ合い)に誘い込んだ。驚いて声も出ない河野は苦笑い。渡辺会長が「ここはワタナベジムだぞ!」と亀田の腕をつかんで引き離した。
言いたいことを言い、最後は河野と握手をして会見場を後にした亀田は「会見があると聞いて、思いつきで来たんや。これで面白くなった。盛り上がって視聴率も上がるやろ。オレは生まれながらの天才や」と、パフォーマンスを自画自賛だ。
本来なら2人そろって会見するところだが、自身のブログで先に公表した亀田は、自身の会見をせず河野の会見に“ガチ”で乱入する、亀田らしい手法に出た。河野とは初対面で「パッキャオかと思った。意識しすぎやろ」と言いつつ、「元気なかったな。面白い場をつくったんやから、何か返してほしかったな」と余裕だ。
主役の座を奪われた格好の河野は「さすが亀田、何かやらかしてくれる。びっくりしたけど、試合でびっくりさせてやる」と気を引き締めていた。