原口“元気弾”!五輪ショック吹っ切った

 「J1、浦和4-3鳥栖」(7日、埼玉ス)

 浦和はホームで鳥栖を4‐3で下した。ロンドン五輪代表から落選したFW原口元気(21)がリーグ戦初の2得点を奪い、次の目標に定めるブラジルW杯へ再スタートを切った。勝ち点を30に伸ばしたチームは3位に浮上した。

 雨にぬれた顔を涙がつたった。2‐0で迎えた後半7分、GKの動きを見て冷静にシュートを突き刺した原口は、真っ先にサポーターが待つスタンドへ駆けだした。ベンチ前では、チームメートに頭をなでられながら顔をゆがめ、おえつを漏らした。抑え込んでいた五輪落選の悔しさを一気に爆発させた。

 「(涙は)はい。そうですね。気持ちは…。分かんないっす。(ゴールで)うれしいのとか」。試合後、照れながら取材に応じていると、チームメートが後ろを通るたびに「えっ!元気泣いたの?」と、ちゃちゃを入れられた。周りは先輩ばかり。練習でも「お前が落ちたから、みんな気を使うだろ」と落選を笑い話にしてくれることで、気持ちが紛れた。

 代表メンバーが発表された2日は「正直、落ち込んでいました」。だが、主将のMF阿部から「おれたちがいる。戦う場所もある」と勇気づけられた。長かった髪を切った原口は、目標を「ブラジルW杯に出ること」にスイッチ。あとは結果を出すだけだった。

 後半9分にはMF柏木のシュートに右かかとで触り、コースをわずかに変えて2得点目。リーグ戦での1試合2発は自身初だが、ここ2試合はシュート0と苦しんでいた。「チームのために走れていたんで、ごほうびが来たのかな」と、ほほえんだ。

 短冊に願い事を書くとしたら?そんな問いに、「サポーターとかチームメートとか、スタッフとか。大切な人を大切にできるようにしたい」。W杯については「その積み重ねの先です」と言い切った。一つの願いが断たれた後の七夕の空に、新たな願いをかけた。

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