なでしこ秘話!宮間の演説で白星発進
2012年7月27日
さまざまな思いを背負い、ピッチに飛び出したなでしこは躍動した。1‐0の前半44分、DF鮫島のクロスを、157センチの宮間が頭で合わせた。「前に大儀見選手がいたけど、何を思ったか、いける!と思った」。ゴールネットが揺れるのを確認すると、右手を天に掲げた。
ポルトガル遠征中の2月。宮間はMF沢に代わり主将となった。代表合宿で練習相手として呼ばれた男子高校生が「宮間選手なら、ウチの高校でもレギュラー」と舌を巻くほどの技巧派だ。主将の重責にも、「やれることをやっているだけ」と謙そんする。英国入り後には選手の各部屋に、試合までの日数を意識させる手作りカレンダーをかけて回るなど、ムードづくりも欠かしていない。
佐々木監督は以前、こう話していた。「誰かのためにという思いは、共感をパワーに変える、なでしこの原動力だと思う」‐。指揮官の言葉を体現するように宮間は言う。「みんなの顔を見たら、ここにいられて良かったなと。円陣の言葉も自然に出てきた」。これ以上ない、白星発進。感謝と決意を胸に戦う主将が、なでしこを金メダルへと導く。