丸山弾で1位突破だ!指揮官が起用示唆
「ロンドン五輪・サッカー女子・1次L、日本‐南アフリカ」(31日、ミレニアムスタジアム)
金メダルを目指すサッカー女子日本代表は30日、1次リーグ第3戦の南アフリカ戦に向けて調整を行った。首位通過がかかる一戦で、佐々木則夫監督(54)はここまで出番のないFW丸山桂里奈(29)=大阪高槻=の起用を示唆。丸山も南アフリカ戦でのゴールを宣言した。昨年9月に負った右膝の大けがを乗り越えたヒロインが、自身3度目の五輪出場で花を添える。
非公開練習となった白いシートの向こう側で、なでしこが誇るジョーカーの声が響く。「一日、一日とコンディションが上がっていい状態。南アフリカ戦は、自分たちがやってきたことを出せれば勝てると思う」。丸山の表情が、にわかに引き締まった。
引き分けに終わったスウェーデン戦では、出番なし。「同点の状況で出られないのは悔しかった」と話す。だが、サブ組のみが行った29日の練習では軽快な動きを披露した。
1位突破がかかる南ア戦では準々決勝以降をにらみ、佐々木監督はメンバーの入れ替えについて「選択肢の一つとしてある」と話した。指揮官は丸山について「体のキレをメーンにやってきている中、トレーナーともよく話している。次はやってくれるんじゃないかなと思う」と起用を示唆した。
丸山自身も「ここぞというところで(得点を)取ってくれるという、そういうノリさんの信頼も感じている。それがモチベーションにもつながっている」と役割を理解。南アの印象についても「ジャンプ力が高く宙に浮く力がある」と独特の表現を使い「南米の選手をぶっちぎったら、かっこいいよね」と大陸を間違える天然ぶりも相変わらずだが、ともかく南ア戦への意欲は高い。
1位突破となれば、順々決勝で大会直前の強化試合で完敗を喫したフランスと対戦する可能性もある。強烈な印象を残したフランスを警戒し、周囲からはブラジル、英国のどちらかと当たる2位突破の方が、という声もあるが「フランスはあんまりやられたイメージない。ブラジルの方が嫌だし、W杯では(英国のメンバー構成の中心である)イングランドに負けているでしょ」とケロリ。
昨年9月11日の五輪アジア最終予選・中国戦で右膝前十字靱帯(じんたい)を断裂。「間に合うのか不安だった」という時期を過ごして、メンバー入りを果たした。「私がここにいることには、何かの意味がある」。その証明をする時が来た。