柏木、復調アピール「影響ない」
大宮とのダービーマッチ(9月1日、埼玉)へベストメンバーがそろった。右太もも裏を痛めていたJ1浦和のMF柏木陽介(24)が29日、チーム練習に本格合流した。紅白戦では主力組に入り、定位置のトップ下で躍動。復調をアピールした。4月の敵地での大宮戦では、0‐2の完敗に怒ったサポーターにチームバスを取り囲まれた苦い記憶があるが、柏木は平常心でリベンジを果たすと誓った。
残暑厳しい炎天下の大原サッカー場で、柏木がフル稼働した。定位置のトップ下でFW原口、MFマルシオリシャルデスらと息の合ったプレーを見せた。18日の鹿島戦で痛めた右太ももの影響は、みじんも感じさせない。次節の大宮戦へ「(影響は)ぜんっぜん(ない)。今日のフィーリングは良かった」と手応え十分だ。
ダービーマッチのために1週間を回復に費やした。患部は「出ようと思えば出れた」状態だったが、左太ももを負傷した上で強行先発した5月の横浜M戦では前半のみで途中交代。「マリノス戦みたいなことがあったらアカンから」と、はやる気持ちを抑えてきた。
端正な顔立ちで抜群の女性人気を誇るが、見た目だけの選手ではない。累積警告による出場停止以外で今季初の欠場となった清水戦に浦和が勝った後は、自身のブログに「ほんまにええチームや。これからも一緒に戦いましょう」と書き込む、熱いハートの持ち主だ。
ホームでの大宮戦は、浦和にとって特別な意味がある。4月の前回対戦後、戦いぶりに不満を持った浦和サポーター約100人にチームバスを取り囲まれ、監督と主将のMF阿部が異例の説得を行う事態となった。車内にいた柏木は「当時はまだ気持ちが分からない部分もあった」と振り返る。
だが今は気持ちの整理をつけている。「浦和の誇りを見せつけたいというのがサポーターさんだと思う」とした上で、「ダービーを意識しすぎたらうまくいかないから、大事な時期の1試合と考えるようにしています」と闘志を内に秘めた。勝てば首位浮上の可能性もある大一番。夏の終わりに柏木が熱く燃える。