広島ロスタイム被弾…増嶋にやられた
「J1、広島1-2柏」(20日、広島広域)
広島はホームで柏と対戦し、1‐2で敗れた。前半を1点ビハインドで折り返し、後半7分にMF森崎浩のゴールで同点に追い付いたが、ロスタイムに柏DF増嶋に決勝点を許した。2位の仙台が浦和に勝ったため、勝ち点では並ばれたが、得失点差でかろうじて首位をキープした。
広島にとっては、痛恨の幕切れだった。試合終了まで1分を切った、後半ロスタイム。自陣右サイドからのコーナーキックから決勝点を奪われ、無念の敗戦。ボールがネットを揺らした瞬間、GK西川はその場に倒れ込み、悔しさのあまり拳でグラウンドをたたいた。
5月にアウェーで対戦した際は、攻撃陣が躍動し5‐2と圧倒。だがこの日は、柏の執ようなマンツーマンディフェンスに持ち味を殺された。パスやトラップのミスも目立ち、何度もボールを奪われてピンチに陥った。
決勝点も、ミスからだった。自陣で奪われたボールを取り返そうとファウルを犯し、ゴール正面、約25メートルでフリーキックを与えた。西川が辛うじてパンチングで防いだが、続くコーナーキックが、悲劇につながった。
得点王争いを独走するFW佐藤も、この日は無得点に終わった。緊急招集された日本代表の欧州遠征から18日に帰国したばかり。「正直、今日の昼までは時差ボケが残っていたので、試合前に寝ていた」という厳しいコンディションの中、それでも1アシストで存在感は発揮した。
6試合ぶりの敗戦で、2位の仙台に勝ち点で並ばれた。残るは5試合。佐藤は「この敗戦からも何かを学んで、次節に生かしたい。相手がどうこうではなく、結果は自分たちの手の中にある」と言葉に力を込めた。悲願のリーグ制覇へ、痛い黒星も糧にして、ラストスパートをかける。