浦和“終戦”悪夢4失点…原口活躍が光明
「J1、川崎4‐2浦和」(7日、等々力)
浦和の逆転優勝の可能性がほぼなくなった。先制しながら川崎に2‐4で敗れ、この日札幌に3‐0と快勝した首位広島との勝ち点差は9に。得失点差を考慮すると、残り3戦で上回ることは絶望的になった。2位の仙台はホームでC大阪と1‐1で引き分けた。0‐1の後半45分、CKからDF菅井直樹(28)のヘディング弾で執念のドローに持ち込んだものの、広島との勝ち点差は2に広がった。
逆転Vへの夢が一瞬で悪夢に変わった。先制直後の前半22分から34分にかけて、川崎のFWレナトにハットトリックを許した。成長不足やプレーぶりについて、日本代表のザッケローニ監督と自軍のペトロビッチ監督の2人に、2日続けて苦言を呈されたFW原口は先制点をアシストしたが、チームの結果は出なかった。
「内容は下を向く必要はない。(このサッカーを)続けていけば、いい未来が開けてくるんじゃないかな」。優勝が絶望的になった後も原口は前向きだった。先制点はDF山田暢のスルーパスに反応し、MF柏木につなげて生まれた。「(柏木)陽介君が見えていたし、ああいうのを増やしたい」と自画自賛した。
前日の練習後は「試合に出たくないのか」と、不満をあらわにしたペトロビッチ監督も「ゴールの起点になっただけではなくて、いい動きをしていた。いいものはいい。悪いものは悪いというべき」と評価した。過去J1リーグ戦で負けがない等々力で8戦目での初黒星となったが、監督の表情は明るかった。
クラブはすでに来季へ向けて動き始めている。鹿島のFW興梠慎三に加え、ペトロビッチ監督が昨季まで指揮した広島からDF森脇良太の獲得を目指している。また、広島にまだ獲得の意思を伝えてはいないが、MF高萩洋次郎の獲得について「チャンスがある」とするクラブ関係者もいる。
ただ、現場の監督、選手は残り3戦を全力で戦うだけ。指揮官は「(3位に入り)ACL(アジアチャンピオンズリーグ)の出場権を得れば、優勝に値する成果だと思う」と選手の奮起を願い、先制点の柏木も「ACLは絶対条件」と語気を強めた。まだやるべきことは残っている。