広島観音3年ぶりV!昨年のリベンジ
「全国高校サッカー広島大会・決勝、広島観音1‐0山陽」(18日、広域公園第一球技場)
リベンジ成功!昨年と同カードとなった決勝戦は、広島観音が山陽を下し3年ぶり4度目の優勝に輝いた。前半、FW杉本武尊選手(3年)の2試合連続となるゴールで先制。後半、虎の子の1点を守備陣が守りきり逃げ切った。同校は12月30日から首都圏で開催される本大会に出場する。
自然と緩む涙腺を止めることはできなかった。優勝を告げるホイッスル。広島の頂へと導くゴールに「自分の得点が優勝につながった。うれしくて…、うれしくて…」。杉本は人目もはばからず大粒の涙を流した。
前半16分だ。「いいところに来た。決めるだけだった」。右サイドからのクロスボールを山陽DF陣がクリアミス。宙に浮くボールを左足で豪快にジャンピングボレー。2試合連続、そして今大会無失点と鉄壁の守備を誇る山陽のゴールネットを揺らす値千金弾だ。出木谷浩治監督は「彼の今までの努力がゴールにつながった」と称えた。後半は追加点こそ奪えなかったが、前線からの守備やポストプレーなどで勝利に貢献した。
両親に恩返し‐。強い思いを胸にピッチに立った。早朝練習は7時から始まる。父・憲泰さんは自身と同じ5時半に起床。約10キロを自転車通学する息子と共に、6時に家を出発し出社する日々を続けてくれた。母・瑞葉さんは食事面でバックアップ。栄養が偏らないように献立を工夫し、体調管理に努めてくれた。3年間、サッカーに打ち込める環境を整えてくれた両親。「全国に連れて行きたかった。ありがとうと言いたい」。涙は消え、すっきりとした表情で感謝の言葉を口にした。
全国の舞台で狙うはもちろんゴールだ。「チームのために得点したい」と力を込めた。高校生活最後の冬。全力で駆け抜ける。