寿人感涙!サンフレ8年目ついに夢結実
「J1、広島4‐1C大阪」(24日、広島広域)
広島・佐藤寿人(30)も感涙にむせた。不動のエースで主将、この試合でも前半42分に3点目を挙げ、勝利に貢献した。33試合で22得点。今季リーグ通算100得点を達成したエース。移籍8年目での悲願達成に万感の涙はいつまでも止まらなかった。
歓喜の瞬間、170センチの小さな大エースはピッチに突っ伏し、人生最高の涙を流した。初優勝を決めた広島の佐藤は「うれし過ぎてね…。跳びはねて喜ぼうかと思ってたんですけど、できないものですね」と感慨を口にした。
この日はチーム3点目となるPKを決め、得点王争いを独走する22点目を挙げた。前半17分にはゴール前中央でパスをさばき、MF高萩の先制ゴールの起点になった。相手DFに激しくプレッシャーをかける守備もあわせ、常に攻守でチームの中心であり続けた。
広島に移籍して8年目で、ついに結実した夢。07年にはJ2降格も経験した。多くの強豪から誘いがある中、「優勝したいだけなら移籍する手段もあった。でも僕は広島で選手として成長させてもらったし、一番苦しいときに自分だけチームを離れるわけにはいかない」と、残留を決意した。
翌年にJ1に復帰すると、そこからわずか4年で日本の頂点へ。「今までもゴールは決めてきたけど、チームとして結果が出せなかった。今日、ようやく広島へ来て、初めて形を残せたと思う」と、満足そうに振り返った。
次なる舞台は、12月6日に開幕するクラブW杯。満員のサポーターに「旋風を巻き起こします!!」と誓った。目標については「もちろん最後までです」と優勝も宣言。屈辱を乗り越えて頂点に立った佐藤の歩みは、止まることなく世界へと続いていく。