中2男子に体罰 元Jリーガー逮捕
岐阜県警各務原署は11日、サッカークラブの合宿中に中学2年の男子(13)に重傷を負わせたとして、傷害の疑いで同クラブコーチの西脇良平容疑者(33)を逮捕した。柔道界の体罰問題などを受け暴力根絶を目指す矢先の事件に、全日本柔道連盟(全柔連)の第三者委員会の委員も務めた、日本サッカー協会(JFA)の田嶋幸三副会長は、全指導者に暴力根絶の誓約書を提出させる方針を明かした。
西脇容疑者はJリーグ・市原(現千葉)の元選手。4日午後0時半ごろ、同県各務原市の陸上競技場の敷地内で、練習試合の休憩中に男子生徒を蹴り、両腕の骨を折る重傷を負わせた疑いがある。各務原署によると「指導の一環だった」と供述し、容疑を認めている。男子生徒は暴行を受けた後も試合に出場し、翌日、父親と被害届を出した。
2月に暴力根絶の指針を示していたJFAは、この日の理事会で全指導者に暴力行為をしない旨の誓約書を提出させることを確認した。指導者ライセンスの登録者が12年度で7万685人。ライセンスを持たずに学校のクラブ活動などで指導する人もおり、田嶋副会長によると合計で10万人超が対象になるという。
西脇容疑者はB級ライセンスを保有しており、はく奪などの処分について副会長は「今後、裁定委員会にかかると思う」とした。また、誓約書の提出方法について「ウェブでワンクリックとはいかない」と今後、検討していく方針だ。