香川、凱旋ゴール「誇りに思う日」
「国際親善試合、C大阪2-2マンチェスター・ユナイテッド」(26日、長居)
イングランド・プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッドは26日、大阪・長居スタジアムでJ1・C大阪と親善試合を行った。2列目の左MFで先発出場した日本代表MF香川真司(24)はPKを失敗した直後の後半9分、一時は同点となるゴールを決めるなど同13分までプレー。2010年までプレーした古巣相手の凱旋試合で、4万4856人の大観衆を沸かせた。試合は2‐2で引き分けた。
MF香川が古巣を相手に凱旋ゴールを決めた。「自分のサッカー人生の中でも、一つの歴史というか誇りに思う日」。込み上げる思いをかみしめるように言葉を紡いだ。
0‐1の後半7分に、まさかのPK失敗。「これで決めてもうれしくないなと迷いがあった」。言葉とは裏腹に、ピッチの芝生を蹴り上げて悔しさをあらわにした。
本領発揮は直後の同9分だった。MFギグスのパスをペナルティーエリア内で受けると、香川は鋭く反転して左足を振り抜く。「DFの股を狙った」というシュートはGKの股まで抜いてネットを揺らした。背番号26は軽く跳びはねて拳を握り、4万人を超すかつてのホームスタジアムは大歓声に包まれた。
ハーフタイムにはC大阪のクルピ監督とユニホームを交換した。偉大な才能を発掘した名伯楽は「監督が代わった中で持ち味を出そうとしていた」と“孝行息子”の奮闘に目を細めていた。
世界的名門で迎える2年目のシーズン。定位置確保へゴールという結果でアピールしたが「余韻に浸っている暇はない」。香川のまなざしは、来年のW杯ブラジル大会へと続く先を見据えていた。