12歳・久保、バルサ下部組織で奮闘中
スペインの名門サッカークラブ、バルセロナの下部組織「インファンティルB(12~13歳)」で日本人のFW久保建英=たけふさ(12)が奮闘中だ。27日から東京で開催されている「U‐12ジュニアサッカーワールドチャレンジ2013」に出場するため凱旋帰国し、この日も仙台ジュニア戦に途中出場し1アシストをマーク。久保への評価、トップチームへの道のりについて、バルセロナ育成部門担当者に聞いた。
東京都稲城市内のヴェルディグラウンドには小学生を中心に数百人が詰めかけていた。鋭いドリブル突破や、足の裏を使ったノールックパスを久保が見せるたびに、「やべえ」と観客からため息が漏れる。試合会場から引き揚げる導線には、子どもたちがハイタッチをしてもらおうと殺到していた。同年代の間ではすでに“スター”だ。
この日は1次リーグ第3試合の仙台戦に25分ハーフの後半から4‐3‐3のセンターフォワードで出場した。後半12分には中央からスルーパスを通し、チームの6点目をアシスト。同43分には右45度からニアを狙ったシュートをポストに阻まれる惜しい場面もあった。無得点だったが、8‐1の勝利に貢献した。午後の練習試合では左FWで後半のみ出場した。
バルセロナは「ヒーローになったと感じないように」と、久保ら選手がインタビュー取材を受けることを禁止している。久保がトップチームに上がる可能性について、育成部門のダイレクター(最高責任者)ギジェルモ・アモール氏が語ってくれた。「トップに上がるのは長い道。16歳、17歳になると見えてくる。行けるか行けないかということを今、言うのは難しい」という。
育成部門のナンバー2、アルベルト・プッチ氏は久保の資質を「技術は高い。バルサの戦術を学んでもらえればいい」と評価する一方で、厳しい昇格争いを説明した。「毎年毎年、年代は上がっていくが10%から20%は入れ替わる。出て行く選手が決まるのは毎年6月です」。激しい生き残り競争の先に、栄光のトップ昇格が待っている。