浦和・柏木2発 死んだふり作戦成功!
「J1、浦和2-1柏」(27日、埼玉)
2位浦和は元日本代表MF柏木陽介(25)が2得点し、柏を2‐1で下した。腰痛を理由に前日まで欠場をにおわす“死んだふり作戦”が奏功し、3連勝に貢献した。首位横浜MはMF中村俊輔(35)のゴールにより、大分に1‐0で勝った。17位磐田は清水に0‐1で敗れたものの、15位甲府がFC東京と1‐1で引き分けたため、今節での降格を免れた。
こんなに動けるなんて聞いてないよ~、と柏イレブンがぼやきそうな柏木の2発で、浦和が首位戦線に踏みとどまった。前半5分にMF原口のシュートがこぼれたところを押し込むと、同11分には左からのクロスを中央で受け、流し込んだ。
前節19日の鹿島戦で腰を痛めて途中交代したが、このアクシデントを逆手にとった。「出ることは分かっていた。フェイクみたいに言っとけ、と言われた」。鹿島戦後の練習で、時に報道陣を避けたり、先発が難しいと打ち明けたりして欠場ムードを漂わせた。
策を授けたのはペトロビッチ監督だった。
2人が広島に所属していたころから、出場が危ぶまれる事態では「出られないと言え」と教えられていた。監督からは「ナイス」とほめられ、試合中に柏の選手から「腰は大丈夫なの?」と声をかけられたというから、死んだふり作戦は効果があったようだ。
もちろん、腰に不安がないわけではなく、後半24分に退いた。勝利にピッチ内外で貢献し「いろいろ書かれるだけやなくて、使わんとね」とニヤリ。柏と再戦する11月2日のナビスコ杯決勝(国立)へ、「コンビで崩す浦和のサッカーを全国の人に見せたい」と、気合を入れ直した。