J2岡山、昇格へ地獄の巡礼150キロ
J2岡山が16日から4日間、香川・小豆島でウインターキャンプを行った。17、18日には、小豆島八十八カ所霊場を自転車で巡礼する過酷なミッションに挑戦。総距離150キロ、標高差約500メートル。冷え込む山中でテントに宿泊し、猿の大群にも遭遇した。悲願のJ1昇格を目指すイレブンは大自然の中で結束力を深め、励まし合いながら2014年シーズンをスタートした。
午前5時30分。夜明け前の暗闇の中、岡山イレブンは島西部の余島から観光名所のエンジェルロードを渡り、巡礼をスタートした。参加37選手が6班に分かれ、前夜それぞれが「ルート計画」を作成。そのプランに沿って、納経帳に御宝印を押しながら八十八カ所を回った。
総距離150キロの遍路道。険しい山中に立つ14カ所の「山岳霊場」にも自転車で挑んだ。あまりの急坂に太ももはパンパン、心臓はバクバク。途中で力尽き、倒れ込む選手も続出した。
参道途中に岩場の斜面がある72番霊場「笠ケ滝」では、自転車を肩に担ぎ、鎖を伝って本堂に到着。
八十八カ所の中で最も高い標高500メートルの14番「清滝山」に向かう途中では、一部のグループが数十匹におよぶ猿の群れに遭遇。幸い襲撃は逃れたが、道をふさがれるハプニングもあった。
昨年、影山雅永監督の発案で始まった小豆島キャンプ。新たなシーズンの始動となる合宿の目的を、指揮官は「コミュニケーションを深め、お互いを知ること」「自分たちで判断し、行動に移す訓練」と説明した。
夜は島東北部にあるキャンプ場「オートビレッジ吉田」でテント泊。2日目も小豆島の自然の中を走り回り、選手たちはゴールの余島に帰ってきた。
「2度目だけど、山岳霊場はキツかった」とFW荒田。岐阜から新加入したMF染矢は「途中でもうダメかと思ったけど、みんなが助けてくれた」と達成感を漂わせていた。3泊4日の壮絶な経験を、J1昇格に挑むピッチの上で生かす。