甲府、大雪余波…ホーム開幕戦アウト
Jリーグは21日、J1開幕戦として3月1日に行われる甲府‐鹿島について、甲府のホーム・山梨中銀スタジアム(甲府市)に積もった雪の除雪が困難なため、同競技場での開催中止を決め、東京・国立競技場での代替開催すると発表した。開幕が8日後に迫った中での非常事態に、Jリーグや甲府は終日、対応に追われた。
約120年ぶりの大雪の影響はサッカーにも及んだ。Jリーグ幹部が21日に積雪の残る中銀スタジアムを視察し、試合を開催できる状況ではないことを確認。この競技場での開催中止を決めた。
甲府がサポーター有志を募り22、23日に行う予定だった緊急雪かきも中止になった。海野一幸会長は「(除雪作業の)自衛隊の駐屯地のようになっている。いくつかある駐車場も雪置き場。できる状況ではない」と苦しい胸の内を明かした。
チームへの影響も計り知れない。今月3日から15日までの宮崎県綾町でのキャンプを終えて羽田空港に戻ったが、山梨に帰れず東京・品川に宿泊。静岡市内に宿泊地と練習場を確保し緊急キャンプを22日まで設定した。
25日からは山梨県に戻るとはいえ、すでに22日のJ2富山との練習試合が中止になるなど苦しい状況に変わりはない。実戦不足が懸念されるが、城福浩監督は「エクスキューズ(言い訳)にしない」と前向きに話した。
Jリーグはスケジュールに空きがあった国立競技場で1日に開催(午後2時開始)することを決めた。
予算、設備面で毎年、厳しい戦いを強いられている甲府に追い打ちをかける非常事態。DF佐々木翔は「僕らは山梨の力になれていない。勝って力になりたい」と誓った。大雪を溶かすほどの熱いハートで苦境に立ち向かう。